こいのぼり

蜜柑は、年中行事に弱い。クリスマスとか、ひな祭りとか、年に一度のイベントにまつわるような言葉や事柄は、次の年にはすっかり忘れてしまっているようなのだ。
蜜柑が「クリスマス会」というものに参加するようになって3年以上経つ。初めての時はサンタクロースが怖くて泣き叫び、サンタさんはいい人で、クリスマスは楽しいものだということがやっと判った頃、クリスマスは終わって、正月になっていた。
2回目。はじめはやはりクリスマスのことを忘れてしまっていて、サンタクロースを見ては泣いていた。しかしなんとかクリスマス直前に、サンタさんはいい人だということを思い出すことが出来て、2・3日間だけだけれど、クリスマスを楽しむことが出来た。
3回目、去年。初めはサンタクロースを見て不安そうしていたけれど、さすがにクリスマスのことを思い出すのが早くなり、半月くらい前からクリスマスを待つことができた。

同じように、蜜柑は今年「桜」というものの存在を忘れてしまっていた。去年は桜の開花時期が長かったため、桜が咲いているうちに桜の木を見て指差して、私たちの注意を引き、「桜」を認知してくれていたのに……今年は一度も桜を指差さない間に、桜は散ってしまったよ!! 丸2年間があいてしまったことになるけれど、来年蜜柑は桜を思い出してくれるだろうか。ちょっと心配。私お花見好きなのに。

さて、現在。蜜柑は、保育園の園庭から見えるこいのぼりを見て、泣いているそうだ。忘れちゃったんだなぁ、こいのぼりも…。家で飾っているこいのぼりは、大丈夫みたいだ。小さいからか(悪かったねい、蜜柑)。スーパー等で売っている、竿に金平糖が入っているようなちっちゃいこいのぼりも大丈夫。むしろ好きみたいだ。よく振り回しているから。どうやら、大きいこいのぼりがダメらしい。
さて、もうすぐこどもの日。そろそろ怖くないものだということ、思い出してくれないかなぁ……。