ハハのビョーキ

最近更新をサボっていたのには、ワケがあります。タイトルには「ビョーキ」とありますが、体調を崩していた訳ではありません。忙しかった訳でもありません(ヒマでもなかったけども)。実に全く個人的な理由でして、家族にも蜜柑にも全然関係ない理由で、文章を書くことができなくなっていたのです。

えーと、以下、ものすごい駄文です。ぐちゃぐちゃ書いてますけども、ソースも根拠もな〜んもありません。私の主観のみで書いた文章ですので、真面目に議論されてもちょっと困ります。なので、興味のある方だけ、どうぞ。


私は、自他ともに認めるオタクです。小説とかマンガとかアニメとか特撮とか映画とかゲームとか、そんなものが好きです。いろいろな作品を見たり読んだりする訳ですが、たま〜に、その世界に行ったっきり帰ってこられなくなることがあります。

……と書くと、なんだか誤解を招きそうな…。

ものすごく心に残る作品に出会って、作品に気持ちが深く入り込みすぎると、読後や視聴後、ぱっと気持ちが現実に切り替えられない。こう書いた方が判りやすいでしょうか。

結構面白い作品でも、大抵小1時間もすれば感動も薄れて普通の気分に戻るんですが、ごくたまに、感動が後を引き過ぎ、なかなか気持ちが切り替えられない作品に出くわすことがあります。寝るまで後を引いちゃったりして。それでもさすがに寝ると収まることが多いのですが、ごくごく稀に、戻るまで数日かかる作品に出会うことが、ありまして。

自分が現実世界にいるということはちゃんと判っているのですが、気がつくとその感動した作品のことを考えている。心に残ったシーンや台詞を頭の中で反芻し、余韻を味わってる。シーンそれぞれを検証して再構築したりしていると、これはこういう解釈ができるんじゃないだろうかとか、この登場人物にはこういう背景があったんじゃなかろうかとか、このシーンとこのシーンの間にはこういう場面が存在し得るなとか、続きがあるならこんなじゃなかろうかとか、いろいろ考えて、めちゃくちゃ楽しい。でも、それは意識して考えてるばっかりではないのがちょっと困ったところで。他にしなきゃいけないことや考えなきゃいけないことがあっても、ちょっと気を抜くと、気持ちが作品世界に持って行かれてしまう。文字通り心ここにあらずで、いろんなことに集中しにくくて。

こんな状態を、私は「○○の世界に行っちゃって、戻ってこられない」と称しているのですが……皆さんもあるんですかね、こういうこと。他の人になったことがないのでよく判らないけど。オタクの人なら多少は判ってもらえるんじゃないかなぁと、思ってるんですが。夫(私同様にオタク)には、不思議がられたことがないので。

非オタクの方にもすんなり判ってもらいやすい例えはないのかもなぁ、といろいろ考えました。そしたら、例えではなく、私の今までの経験上、ほぼ同じ気持ちになっていた時期を思い出しました。
「恋に落ちた時」です。
寝ても覚めても相手のことを考えている。仕事中や授業中でも、つい相手のことを考えてしまう。この間のデートは楽しかったとか、こんなことを言われたとか、あんな表情をしていたけど何を考えてたんだろうかとか、今頃自分のこと考えてくれてるだろうかとか、考えるほどに相手が好きになって、めちゃくちゃ楽しい。でも、それは意識して考えてるばっかりではないのがちょっと困ったところで。他にしなきゃいけないことや考えなきゃいけないことがあっても、ちょっと気を抜くと、気持ちが好きな相手の方に持って行かれてしまう。文字通り心ここにあらずで、いろんなことに集中しにくくて。
後半コピペですが、まさにそんな感じです。「心を奪われる」とはよく言ったものだと思います。

さて、前置き長くなりましたが、今回、そういう状況に陥ってしまっておったワケです。文章書こうとしても、気持ちがそれて全然まとまらなくなってしまって。仕事の時とかはがんばって集中していたんですが、気持ちを持ってくるのが結構大変で、心がとても疲れました。(みなさんは激しい恋の最中のこと想像してね)ちょっと落ち着いてきたのでなんとかこの文章を仕上げていますが、まだちょっと残ってる感じがします。


で、ここからがホントの本題。なんで、こういうことをここにぐだぐだ書き連ねたかといいますと。
これって、自閉症の人がファンタジーの世界に行っちゃってるときと同じ状況じゃない?と、ハタと思い当たったからです。

蜜柑は、しょっちゅう気持ちがいろんな世界に飛んで行ってしまう子です。好きな歌とかCMとかアニメの決め台詞とか始終口ずさんでいます。好きな気持ちを反芻して、楽しんでいるんでしょうかね。
おなかがすいてる筈なのに、食卓に座ってもまだなんだかんだ喋っていることがちょくちょくあります。で、そんなとき、「蜜柑! 戻ってきなさい!」と言うと、ハッ!?と気づいたような感じで、「ごはん。」なんて言って、もぐもぐ食べだす。
そこにいるのに「戻ってこい」とはヘンな言い草なんだけど、「おしゃべりしない」とか「ごはんを食べます」より、なぜだかよく効くんですよ。気持ちが別のところに行ってしまっている、そんな風に蜜柑も感じているのかもしれません。

私の感じている状態と蜜柑の状態が同じだとするならば、自閉症の人がファンタジーの世界から現実に帰ってくるのは、とても困難なことだと言わなければならないでしょう。ファンタジーの世界にいるのは、ある意味、自分の意志じゃないからです。恋してる最中に、相手のこと考えちゃいけないと言われてるのと同じようなものだから。そしてまた、恋している相手のことを考えるのは、とても楽しくいい気分がするものだからです。
同時に、自閉症者からファンタジーを取り上げるのは、とても残酷なことだとも言わなければならないでしょう。好きな相手と別れろと言っているようなものだからです。

そう考えてみると、自閉症者のファンタジーへの耽溺や独り言に対処する方法の輪郭がちょっと見えてくるような気がします。

仕事中は、好きな相手を思い出すきっかけになるものを遠ざけておく。(勉強や作業の場所を固定する、視覚・聴覚的に気が散らないようにする、などに相当するでしょうか)
スケジュールを立てて仕事をし、余計な空き時間を作らないように心がける。(見通しを立てて作業が出来るようにし、休憩まで気持ちが逸れないようなスケジュールを作ってあげる、といったところでしょうか)
仕事が終わったら、好きな相手と過ごす時間を大切にする。(余暇の時間を保証してあげる)

こんな感じでしょうか。そんなに的外れでもないように思うんですけど。

自閉症者がTVのCMの台詞を言っているのと、オタクがガンダムの台詞を言っているのと、恋してる人が好きな人のことばっかり話しているのと。どれも、聞き手の興味より自分の言いたいことを優先して喋ってるってことに違いはないんじゃないかなぁ。そんな風に思った、この頃でした。

次のエントリーでは多分、また蜜柑の写真を載せます。サボってた間に結構溜まってた(笑)。