ラスベガス

以前にもちょっと書いたことがあるが、息子・蜜柑は東京フレンドパーク2が大好きだ。毎週毎週、とても楽しみにしている。番組名は難しいらしく、口に出して言うことはできないけれど、最近では彼なりのボディサインで番組が始まることを私に教えてくれる。手を、かいぐりかいぐりって回してから、ばんざいをしてぴょんと跳ねる、というサインだ。どうやらウォールクラッシュのイメージらしい。割と雰囲気が伝わると思うので、よく考えたねえ、と褒めてあげた。親馬鹿だけど。
中でも一番好きなのはダーツのコーナーで、とてもうれしそうに見ている。例の「パジェロ」コールが好きだったからだ。
でも、一連の事件のためだろう、三菱がフレンドパークのスポンサーを降りてしまった。今週は遂に、賞品がラスベガス旅行に変わってしまった!!
自閉症の子がいる家庭では、これは大問題だ。いつも楽しみにしていることが、あるとき突然、理由も判らないままなくなってしまう。特番の時には、今日は賞品が違うけどまた戻るからね、と言い聞かせていた。言い聞かせても、ずっとぐずぐずぐずぐず言っていた。でも、パジェロはもう、きっと二度と帰ってこない! 私はパニックを覚悟した。
でも、意外にも蜜柑は平然とテレビを見続けていた。むしろ、石ちゃんを見てにこにこしていたくらいだ。
私はものすごく拍子抜けした。
フレンドパークは、蜜柑にとってはとっくにこだわりの対象ではなくなっていたんだ。こっちが過剰に気をつかっていただけだったんだ。このくらいの変化は、普通に受け入れられるようになってたんだ。
単に蜜柑の「好きな番組」のひとつになってしまったフレンドパーク。制作側の方は残念かもしれないけれど、私は蜜柑の成長の証として、素直に喜びたいと思う。

でも、丸い的をみると回そうとする癖は、恥ずかしいからやめてほしいんだけど。