共産党マニフェストから抜粋

マニフェストのURL http://www.jcp.or.jp/seisaku/2005/05syuuin_seisaku.html


2.社会保障切り捨て路線とたたかい、社会保障・福祉制度を拡充して国民のくらしをしっかりささえる

福祉を拡充し、くらしの不安をとりのぞく

障害者福祉サービスの利用者負担を、所得に応じた応能負担から、1割の応益負担にかえ、障害者に大幅な負担増をしいる「障害者自立支援法案」は、障害種別や立場のちがいをこえた当事者・関係団体の空前の運動をまえに、廃案となりました。障害が重く、多くの支援を必要とする人ほど重い経済的負担を強いる改悪は、社会福祉の理念に真っ向から反するものです。
また、政府は、介護保険と障害者支援費制度の「統合」をねらっていますが、その目的は、介護保険料の徴収年齢を引き下げて、国民に負担増を求めることです。負担増の“口実”に障害者を利用することなど許せません。また、障害者も、サービス水準の低下や負担増を押しつけられることになります。
日本共産党は、障害者の自立と社会参加に不可欠な障害者福祉サービスや育成医療・更生医療・精神障害者通院公費負担に、応益負担と大負担増を持ちこみ、障害者のくらしと人権をおびやかす制度改悪に反対します。「障害者自立支援法案」の廃案をうけ、政府の責任で必要な支援費予算を確保し、「予算不足」を口実とした障害者や自治体への負担と犠牲の押しつけを許しません。
そして、障害者関係予算を大幅にふやし、地域生活の基盤整備を集中的にすすめ、障害者がどこでも安心してサービスを受けられるようにします。障害基礎年金の引き上げをはじめ、所得保障制度の改善をはかります。難病や発達障害、高次機能障害といわれる人びとなど、すべての障害者を対象とする総合的な「障害者福祉法」を早急に制定します。精神障害者の医療と福祉を抜本的に拡充します。「障害者差別禁止法(仮称)」を制定し、障害者の「全面参加と平等」を実現します。
長引く不況や所得格差の広がりのなかで、生活保護の役割がますます重要となっています。ところが政府は、「老齢加算」の廃止、「母子加算」の削減につづいて、2006年度には生活保護にたいする国の負担を、現在の4分の3から3分の2に引き下げようとしています。生活保護にたいする国の責任の後退は、いまでもきびしい保護の締めつけをさらに強化させ、国民の生存権が乱暴に侵害される事態に拍車をかけるもので、絶対にゆるされません。
日本共産党は、「老齢加算」の廃止、「母子加算」の削減計画に反対し、拡充をはかります。児童扶養手当の削減計画を中止し、拡充をはかります。
難病患者、小児難病患者について医療費自己負担制度をやめ、無料制度を復活して、予算増額と対象疾患の拡大をすすめます。
乳幼児医療費無料化を国の制度として実現させ、各自治体の独自施策を上乗せして実施できるようにします。住民・行政・医療関係者の連携で、小児救急の充実や小児医療提供体制の整備をすすめ、安心して子育てできる地域社会をつくります。
(後略)

11.教育基本法の改悪に反対し、子どもに生きる希望をはぐくむ教育の実現をめざす

30人学級、学費無償化へ 国際的に遅れている教育条件を改善する

ヨーロッパでは、少人数学級が当たり前、学費も幼稚園から大学まで無料の国が多いのにくらべ、日本では「40人学級」、多額な父母負担など教育条件が劣悪です。その改善のために全力をつくします。
30人学級 ……国の責任による「30人学級」をすすめます。
私学助成 ……私学助成2分の1助成を早期実現します。
学費負担の軽減 ……「学費の無償化」の国際人権規約を批准し、大学と高校の学費無償化と給付制奨学金導入にふみだします。教育扶助・就学援助の拡充をすすめます。
障害児教育 ……障害児学級の廃止などを許さず、比較的重い障害の子ども、LD(学習障害)などの「軽度発達障害」の子ども双方への教育を手厚くします。
学校統廃合 ……地域での子どもの育ちを困難にし、地域のコミュニティーの拠点をうばう、学校の一方的統廃合をやめさせます。
その他の教育諸条件 ……公立学校施設費を増額し、耐震化などをすすめます。学校図書館への専任の人の配置と図書の充実をすすめます。公立図書館の拡充をすすめ、指定管理者制度による民間委託に反対します。学校給食を充実させます。夜間中学を増設させます。学校安全、アスベスト対策を強化させます。自然空間、児童館、中高生のたまり場、障害のある子どもの居場所の整備をすすめます。

12.出産・育児と仕事の両立を応援し、すべての子どもに豊かな乳幼児期を保障する──安心して子どもを生み育てられる社会に

長時間労働をなくし、家庭生活との両立ができる働き方に

子育て世代である30代は、男性の4人に1人が週60時間以上働くなど、最も労働時間が長い世代になっています。サービス残業の根絶、長時間労働の是正をはじめ、人間らしく働くためのルールを確立・徹底し、だれもが「家族的責任」を果たせるようにします。子育て中の労働者には、変則勤務・夜間勤務・単身赴任を制限し、残業も本人同意を必要とするなどの措置をとります。
男女がともに育児休業をとりやすくするために、育休中の賃金保障の6割への引き上げ、代替要員の確保、職場への原職復帰、育休取得による不利益の禁止、派遣・有期雇用・パート労働者への適用拡大、中小企業への助成拡充などをすすめます。国際的にみても著しく低い男性の取得を増やすために「パパ・クォータ制」の導入などをすすめます。病気の看護や学校行事への参加などのための「子ども休暇制度」を新設します。
(中略)

保育所学童保育の改善にとりくむ

保育所は、定員オーバーの詰め込みで、「廊下で寝かしつける」など深刻な状態です。出産・育児と仕事の両立を支援するとともに、人格の基礎をつくる大切な乳幼児期にふさわしい体制と条件を整備します。
保育所整備計画」をつくり、認可保育園の新・増設をすすめるとともに、延長・夜間・休日・一時保育・病後児保育などの要求にこたえます。保育所運営費の削減や「民間委託」の名による保育条件の切り下げをやめさせます。運営費を増やして高い保育料を引き下げます。適正な条件で保育している無認可保育所への財政的支援をおこない、認可を促進します。
学童保育を希望するすべての子どもが入所できるように拡充します。「遊びと生活の場」にふさわしい設置基準を明確にし、予算を増額させます。
身近な場所に、子育て、育児相談、サークル活動などのための多様な場をつくるなど、専門的な相談・支援の場を拡充し、子育てを応援します。単親家庭の子育てへの支援をすすめます。乳幼児医療費無料化を国の制度にするとともに、小児救急医療をはじめ小児医療提供体制の整備をすすめます。