鳥はみずからの力だけでは飛べない

shibaさんの「dimanche」で教えていただいた本です。

鳥はみずからの力だけでは飛べない

鳥はみずからの力だけでは飛べない


蜜柑は台風が来ると調子悪くなるんですが、そういう方は他にもいらっしゃるようで。これを読んで安心しました。
また、子を持っている者としてはなかなか考えさせられる内容の本でした。以下若干ネタバレですけれど、ご容赦。


ひきこもりになった友人の子どもに対する書簡集の形を取っている本なんですが、私は特に最後の手紙に心を動かされました。「待つ」ということの大切さと、「生きる」ということの素晴らしさが綴られている部分です。
障碍のある子を育てていると、「待つ」ことの重要性を感じないではいられないのです。障碍故にスピーディーに要領よく物事をこなすことができない子ども。その力を信じて伸ばしてあげたい。「待つ」ことの連続です。焦っても悪い結果を生むだけなんですもん。
でも辛抱強く待つことで得られる達成感。また、生まれつきの能力は人並みとは言えないだろうけれど、生きることを心から楽しんでいるように見える蜜柑。
蜜柑と過ごすことで、私も相当我慢強くなりました。蜜柑が障碍児でなかったら、生きる意味や親としてのあり方など、こんなにいろいろ考えることはなかったでしょう。それは大変なことだったし、これからもきっと大変であり続けるだろうけれど、でも蜜柑と共に生きられて、本当によかった。
この本を読んで、自分は間違っていないのだと再確認することができました。また、健常児を育てている親御さんたちにも読んでいただいて、子どもと共にゆっくり歩むことの大切さ・楽しさを知って欲しいな、と思いました。
お勧めできる本です。shibaさん、教えてくださって、どうもありがとう!