今年もありがとう

さて、今年も残すところ今日のみとなりました。今年も読んでくださったみなさん、どうもありがとうございます。来年はもう少し、日々のことだけじゃなくて、自閉症の小さい子どもさんを持つ後輩たちの役に立つ情報を書いていきたいと思っています。……あんまり自信ないけど。
蜜柑は今年1年でとても成長してくれました。こんなに意思の疎通ができる子になってくれるとは、はっきり言って思っていませんでした。うれしいです。「発語」ということにとらわれず、のんびりやっていてよかったなぁ、と思いました。

クリスマスイブに、私は、ちょっと気になる子を見かけました。大型スーパーのハム売り場、陳列棚に凭れ掛かって、座り込んでいる男の子です。年は小学校中学年くらい。最初は何の気なしに通り過ぎたのですが、ちょっと歩いて、なんだかおかしいことに気づいて、振り返りました。
名古屋でも、今年の冬は寒かったです。二日前に大雪が降ったばかりです。なのに、長袖Tシャツと薄手の長ズボンだけを着て(中に何か着ていたかどうか、それは判りませんが)足に履いているのはゴム草履。もちろん裸足です。詳しい方ならピンとくるかも知れません。真冬に似つかわしくない薄着というのは、児童虐待のサインです。顔、手足には虐待の跡は見られませんでしたが、元気に走り回っている年頃の子どもが、お菓子売り場でもない、スーパーの中では寒い筈のハム売り場にしゃがみ込んでいるというのは、なんだかおかしい。それも、クリスマスイブの夕方に、です。他の子はみんな、クリスマスケーキやクリスマスブーツに突進してわがままを言っているのに。
立ち止まった私に、夫が「どした?」聞いてきたので、「ねぇ、あの子おかしくないかなぁ」相談しました。「声、かけた方がいいかしらん」「そうだね」
声をかけようと歩き出すと、その子は周りに何か見つけたようで、たたっと走り去ってあっという間に見えなくなってしまいました。
親を見つけたのかもしれません。一直線に走って行きましたから。その後も気になって、スーパーの中をきょろきょろ見ていましたが、結局その男の子を見つけることはできませんでした。
あの子は、あそこで、何を思っていたのでしょうか。今頃あったかい部屋で、楽しく年を越しているでしょうか。

日本の子どもを取り巻く状況は、今年もお粗末なものでした。多くの事件で、子どもが被害者になりました。子どもを産まない選択をする人も増え続けています。
来年こそは、子どもたちがみんな幸せに暮らせる世の中に、少しでも向かって行きますように。