第1話を見て・補足

いろんなところで、話題になっているようです。とてもありがたい。お友達のお母さんたちも大激論で、今日の第2話が楽しみです。

特に話題になったのが、やはり光くんのモノローグの場面。お母さんたちの間でも、賛否両論でした。「大泣きした」と言う人もいれば、「絶対ヘン!」と言う人も、「むしろムカついた」と言う人まで。様々でした。
私自身は、母の願望や落胆やらもろもろの気持ちを、(制作側の人たちが、視聴者にわかりやすいだろうと思った方法で)表現したものなんでないかなぁと、思っています。手法として割りきって見ましたので、そんなにエキサイトはしなかったんですけど。

でもね、子どもに「ごめんなさい」とは、思って欲しくない。それが、唯一の不満です。

息子が、私に「すまない」と思っているんだったら、私はめちゃめちゃショックです。絶対そんなこと思わないで欲しいし、思わせた自分に、腹が立ちます。
私、大変なことはいろいろあるけど、息子が産まれて幸せだとずっと思っています。のんき過ぎるのか、考えなしなのかも判りませんけど。

だから息子にも「産まれて来て幸せだった」と思って欲しい。ごめんなさいなんて、絶対思って欲しくないです。


なんか、散漫な文になっちゃいましたね。気を取り直して、もちょっと。


あと、篠原涼子が泣きながらリンゴ食べる辺り。光くんをきらいになれなくて、光くんがかわいくて、でも…というところが、とても印象深かったです。

たまに、自閉症の子は、かわいいと思ってもらえているだろうか?と思うことがあります。自閉症の子は、愛着行動が起こりにくいとされています。相手の目を見て、かわいがってもらえるものと期待して、人と積極的に関わって行く。非自閉の子が自然にやっているこんな行動は、とてもとても苦手です。
今、テレビでこんなCMをやっています。「抱きしめる、という会話。」とてもいいCMだと思うのですが……

自閉症の子には、これさえできないことが、間々あります。感覚過敏があると、抱きしめられることを嫌がることがあります。単純に、抱きすくめられると体の自由がきかないので、嫌がったりします。そっくりかえって嫌がられてしまう。

これは、相当にへこみます。だっこしても喜ばないんだもん。むしろ嫌がってるし。

障害ゆえのことだと言っても、親が障害に気付くまでには、産まれてから数年を要します。それまでの間、親は「この子は私のことが好きじゃないんじゃないかしら?」と思いながら過ごす訳です。

かわいがられることを喜ばない子をかわいがるのは、正直苦痛です。一人遊びをしているところに声をかけると、ひっくり返って泣いて怒る。「光とともに…」第1話にもそういうシーンがありましたが、そういう子どもに積極的にかかわっていくことに、意味を見いだせる人は少ないでしょう。
「この子一人でいるのが好きだから、一人で遊んでいるの」
だって関わらない方が平和ですからね。手が空いている親ならまだいろいろチャレンジしようという気にもなるのかもしれませんが、兄弟がいたら? 職を持っていたら? 親の気持ちが不安定なときだってあるでしょう。

ネグレクトまでいかなくても、結果として親との関係が希薄になっている、未診断の自閉症の子は多いんでないかと思います。かくいう私も、例外ではありませんでした。泣かせないようにしようとすると、一人にしておいた方が、積極的にかわいがらない方が、よかったりするんですもん。

でもきっと、その間も親は悩んでいると思います。ウチの子はどうも違うんじゃないか、どうして私を見てくれないのか、視線も、心も。

自閉症は、ある程度年齢が来ないと診断がつきません。大抵三歳くらい、早い子は一歳代で診断されることもありますが、それでも親が一人で悩む時期は、確実に存在します。
子どもはかわいい、でも子どもは自分を好きでない気がする、そう悩む間に、子どもへの愛情が薄れて行ってしまうことを、すごく恐れています。いろいろ子どものことで活動していると、いろんな親御さんに会う機会があります。子どもを愛せなくて悩んでいる親御さんも、やはりいらっしゃいます。

お願いですから、悩んでいる時期の親を責めないで下さい。また、気休めも、言わないで下さい。ドラマを見ていて、とても見につまされました。

「気になるなら、お医者さんに相談したら?」
「保健所の相談窓口に相談してみたら?」

悩んでいる親には、そう言ってあげてください。親が楽にならないと、子どもにいい接し方をすることはできないと思いますから。
診断がつく前なら、きっと病院を紹介してもらえると思います。自閉症でもそうでなくても、お医者さんにルートができることは貴重です。また悩みができたとき、相談しやすいですし、お医者さんが介在すれば、家族親類にも、判ってもらいやすいですからね。
診断がついた後なら、親同士の会などを紹介してもらえると思います。悩んでいるのは、自分だけじゃないから。他の親御さんと話すことで、得るものはきっとあります。

ドラマでは、数年間、篠原涼子が一人でかんばったことになるみたいですね、まだダンナさんは障害受容してないみたいですから。今日、そういうシーンがあるのかな?
でも、数年間も母親一人でがんばりきるのは、相当に難しい気がする。できないことはないと思うけど、やってらっしゃる方も知っていますけど、気持ちが持たないですよ。ものすごく大変。まぁ、その辺はドラマだからかなぁ。


すごく長くなってしまいました。この辺で。