お誕生日おめでとう

息子・蜜柑は、五歳になった。
蜜柑、お誕生日おめでとう。

私も五歳の母親。夫も五歳の父親だ。
私たち、お誕生日おめでとう。

私たちには誰も言ってくれないので、自分で言ってみる。

いろいろ、ほんといろいろあったけれど、みんなでがんばって来たように思う。これからもみんなでがんばっていこう。決意も新たに。

ついこの間、とあるお店の中ではしゃいで走ってしまった蜜柑を捕まえ、「蜜柑、お店の中、歩きます」等と、ウチとしてはごく普通に指示をした。すると、近くにいた若いお嬢さんが「おや?」って感じで、こっちを見た。我が家には普通の言葉掛けだけれど、確かに世間一般では珍しいのかも。珍しいことに気付いてくれたって事は、こりゃ「光とともに…」効果か!?と思って、うれしかった。
そうですよ、気が付かないだけでね、自閉症の人ってのは、ほんの身近にいるんですよ。説明したい気分だったけれど、あんまりあやしいので、やめた。

先日、小学生の自閉症の子どもさんを持つお母さんに、「ウチが蜜柑くんくらいだった頃にはね、周りの理解なんてまっっったくなかったわよ、3歳児検診でもひっかからなかったんだから!就学時検診でやっとなのよ!」と言われた。はっきり聞いたことはないけど、彼は軽度とは言えない自閉症であるのに、だ。そのころは、みんなそんなもんだったらしい。

五年ほどの間に、自閉症を巡る環境は大きく変わっている。これからもきっと変わって行くだろう。先達となるみなさんが作ってくれた細い道を、これからは私たちがもっとぐいぐい広げていかなくては!そんな気持ちだ。