おんせん

ちょっと前、入浴剤をいっぱいもらった。あらこりゃ困った、とその時は思った。我が家では入浴剤を使わないからだ。
使わないのは、大人の都合ではなくて、蜜柑のせいだ。蜜柑はお風呂の水を口に入れるクセがある。ごくごく飲む訳ではないけれど。注意するのだけれど、なかなかやめられないようだ。口をあけた状態でお風呂に深くつかると、口にお湯が入ってくる。それがとても面白いらしい。プールなんかでそういう遊びをする子どもはいるし、まぁいっか、という感じで今まで過ぎてきた。ただ、入浴剤が入っているとなんとなく体に悪いような気がして、今まで入れたことがなかったのだ。
でも最近寒くなってきたし、あんまりいっぱい入浴剤があるから、いっちょ入れてみようかということになった。いきなり入れて、水が青かったり黄色かったりするときっと納得いかないだろうと思って、蜜柑にはちゃんと説明をした。
「今日はね、お風呂を温泉にするよ。これ(入浴剤)は温泉の元だよ。これを入れます。どれがいい?(選ばせる)一緒に入れようね。(お風呂に連れて行き、お湯に入浴剤を入れさせる)お風呂が黄色になったね。温泉だよ。温泉は、飲んではいけません。おいしくないよ。飲みませんか?」「あい」
で、お風呂に入れてみましたら、全然お湯、飲みませんでした…。なんか、こんなすごくちょっとしたことで、お湯を飲まなくなるなんて。もっと早く試してりゃよかったよ。
1回入浴剤を入れてからは、すっかり入浴剤好きになったようだ。お風呂に入る前に「おんせん」と言って、入浴剤を選びたがるようになった。でも、これがホントの温泉ではないこと、いつ教えようか…。